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【コンサルタント教育責任者が語る!】 優秀なコンサルタントに共通している必要な能力とは






TEDxHitotsubashiUは「Ideas Worth Spreading(価値あるアイデアを広める)」というTEDの理念にご賛同下さるパートナー企業の方々と共に運営を行っています。

今回はTEDxHitotsubashiUをサポートしてくださっているCore Partner、パクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社より、何徳白樹様(以下何徳様)へのインタビューをお届けします!


 
本日はどうぞよろしくお願いいたします。何徳様は国際的なご経験をお持ちと伺ったのですが、どういった学生時代を過ごされていましたか?

何徳様:私は、小中高は一般の日本の学校でしたが、大学はアメリカの大学か中国の大学かで悩んだ末、中国の大学に進学しました。進学する前に実際にアメリカにも中国にも訪れたのですが、アメリカの大学では人種ごとに輪を作って行動し交友関係を築いている、というイメージを持ちました。私は、せっかく海外に行くのだから、国籍を超えていろんな国の方々と友達になりたいと強く思ったので、国籍の壁を感じない中国の北京大学を選びました。北京大学では経済学部に所属して国際貿易を学びました。大学で実際私がやりたかったこと、つまり国籍を超えて色々な国の人と友達になるという意味では目的は達成できたと思います。4年間で色々な国の人と話し、考え方や文化の違いによって、一つの物事でも色々な見方があるのだと気づきました。大学卒業後は一旦日本に戻って、日本の学期と海外の学期のずれを利用して、半年間ヨーロッパに行きました。仕事をする前の空いている期間をどのように有効活用したらいいか考えた時に、大学時代に色々な国の人との交流はあったものの、実際にそれらの国を自分の目で見たわけではないので、文化や景色に対してもっと深く理解したいという思いがあり、特に興味があったヨーロッパを中心に回りました。


何徳様は経済学部で国際貿易を学ばれたとのことですが、元々グローバルに興味があったというのがきっかけで選ばれたのですか?

何徳様:そんなえらい話ではないです(笑)。経済学部は文系と理系の中間にあると思うのですが、北京大学の経済学部は数学の授業がすごく多くて、必修科目なんですね。私自身、実は数学がそんなに得意じゃなかったので、国際関係でもいいかなと思ったのですが、周りの人から経済の方が将来的に就職の時に役に立つよと言われて、国際貿易を選びました。大学時代はかなり数学を頑張りました。私はいわゆる進高校に通っていたわけではなく、地元の公立高校に通っていたので、勉強していた数学のレベルが北京大学の数学とかけ離れていました。ですので数学にはかなり苦労して、例えば微積分は本来2年生で合格しなければいけないのですが、1回目でパスできなかったので、最後の最後、卒業する4年目にやっとパスして卒業できました。

様々なご経験をされている何徳様ですが、現在のお仕事に就くまでの流れをお話しいただけますか。

何徳様:大学卒業後にまず中国銀行に就職し、経理部で銀行内部の管理や日本政府、中国銀行本社へのレポートの作成、対応をしていました。その時に、継続的に一つの対象を観測して分析するレポート作成への楽しさを感じたことと、経済成長の早い中国で仕事がしたいという気持ちが相まって、銀行で3年間働いた後、中国に戻りました。その後就職したのは野村総研なのですが、実は野村證券だと勘違いして面接を受けました(笑)。中国銀行での経験があるので、父の友人から紹介をいただいた時に、頭の中で勝手に野村證券だと思っていたのです。実際面接にいった時に渡された名刺を見たら野村総研と書いてあるのに気づき、会社の調査や受け答えの準備をしていたので、あれ?と思いましたが、当時野村総研が北京で新たな海外拠点を立ち上げたタイミングで、中国語と日本語が話せる点や、北京大学を卒業し文化などへの造詣が深い点、前職での財務管理や監査の対応の経験などが偶然採用条件に当てはまったことで、コンサルの経験がなかったものの採用に至りました。野村総研では、通常の経歴のラインではなく、コンサルと総務の両方を同時進行で行っていました。人が少なかったこともあり、採用から人材育成、コンサル、総経理の秘書のような仕事、オフィスの内装デザインまで行っていました。3年ほど両方の仕事を続けていましたが、その時一緒に働いていた総経理の方からコンサルタントに向いていると言われたことをきっかけに、コンサルラインに業務を移しました。野村総研では約13年と長期にわたって働いて、最後の方は自分のグループを持って、グループ長として収支の責任を背負うという立場に立っていました。会社の立ち上げ時期だったこともあり、通常では体験できないような幅広い経験を積むことができましたが、長く勤めたことで比較対象がなくなり、会社への客観的な判断ができないと感じるようになりました。野村総研は人材こそが会社の財産という考えを持っていて、人材育成に時間と労力をものすごくかけている会社なので、日本に帰国を決めたタイミングで本社に戻ることもできたのですが、退職することに決めました。その後NTTデータに転職しましたが、社風が自分に合わなかったこともあり2年半ほどで退職しました。




3社をご経験されてきた中で、どのような経緯でパクテラへたどり着かれたのでしょうか。

何徳様:NTTデータを退職した際に、すぐに転職するのではなく、私は何がしたいのだろうと考えるクッションの時間をおきました。その時に、今までは最前線でお客さんを相手に対外的な仕事をしてきたけれど、次の就職先では対内的な仕事をしたいと思うようになりました。野村総研時代に人材育成が重要だと感じたこともあり、人材育成を中心に新しい仕事をしてみたいなと思っていました。パクテラに就職する前に色々なコンサル会社の話を聞きましたが、私の今までのコンサル経験やグローバルな経験を踏まえて、コンサルタントとしての仕事を期待する会社が多い中で、パクテラは人材育成などの内部の仕事をしたいという私の意志を歓迎してくれました。私は自分のやりたいことと社風を重要視しているので、最終的にパクテラに転職することを決めました。


たくさんのお仕事を経験されてきた何徳様ですが、その中で自分の人生に影響した印象的な出来事はありますか。

何徳様:人との出会いという点で印象的だったのが、当時執行役員で、今野村総研の社長をされている此本さんとの出会いです。面接の時や、当時アジア地域を見られていたので、中国に来られた際に頻度は高くないですが何度かお会いしていました。この出会いは自分のコンサルの仕事にも大きく影響していると感じています。此本さんは当時執行役員だったのにも関わらず、誰に対しても謙虚で、社外の人の話を聞いていて重要なことだと認識した時はメモをとるんです。コンサル業はいかにお客さんの課題を引き出せるかどうかが重要なので、それにとても長けている方だと思いました。常にメモをとること自体も謙虚な姿勢ですし、立場が上がってもアンテナを張って、常に最新情報をキャッチするという気持ちが尊敬できる方だと思いました。私が野村総研を退職した時に、お世話になった方にメールを送ったのですが、一番最初に返信をくれたのも此本さんでした。此本さんの考え方や姿勢から、コンサル業はサービス業で、サービス精神のない人は良いコンサルタントにはなれないと感じました。仕事面ももちろんですが、コンサルの仕事や今後の人材育成への考え方という観点では、此本さんの影響が一番大きいと思います。

何徳様は現職でコンサルタント教育責任者をされていますが、貴社におけるコンサルタント教育の特徴をお話いただけますか。

何徳様:コンサルタント教育では状況によってカスタマイズすることが重要だと思います。例えば、野村総研とNTTデータとパクテラでは全く状況が違うので、会社の状況に合わせて教育内容を調整する必要があります。パクテラに入った後、まずメンバーのその時点のレベルを確認した上で、どの研修内容が妥当かを考えてプログラムを作りました。コンサルタントの能力として、PowerPointの書き方などロジカル的に情報を整理するスキル面と、責任感やサービス精神などの人間的部分があります。人間的部分は性格や経験など現場でしか磨けないことで、例えばサービス精神を持っているかどうかはその人の性格とか今までの生い立ちが関係してきますよね。あと私は責任感を持っているかどうかがコンサルタントにとって大切だと思うのですが、それも仕事をする中で磨いてもらうしかありません。一方で私たちができることを考えた時に、コンサルとして必要とするスキル面にフォーカスして研修内容を組むようにしています。

社会人ないしコンサルタントにとって必要な能力はなんだと思われますか。

何徳様:社会人として必要な能力は業種によって違うと思いますが、コンサル業に関しては先ほども言っていたサービス精神と責任感だと思います。責任感もある意味サービス精神の一部かもしれませんが、でもそれはスキルではなく、マインドの問題ですね。サービス精神というマインドがスキルに反映されることで、相手の立場に立って、お客さんに対して最大限のいいものを出したいという精神が生まれます。その精神があるからこそいいものが仕上がるので、考え方が最終的な成果に反映されると思います。


コンサルタントは問題解決のプロフェッショナルというイメージがありますが、何徳様が困難に直面した時に、どのようなプロセスで向き合われていますか?

何徳様:私はコンサルの仕事は一人のプレーではなく、チームプレーだと思います。なので、何か困難に直面したときは一人でこもっているのではなく、それができる人に対して謙虚な気持ちで話を伺って、それを自分のもの、自分流にして、乗り越えようとしています。冒頭でお話しした通り、私は海外拠点で働いていた経験がありますが、その時行ったプロジェクトはほとんど初めてのものでした。海外では人が少ない分、産業テーマや内容で人を選べない場合がほとんどです。印象に残っている案件の一つに、入社してすぐ一人でやるように渡された、菜種研究の第一人者との交流プロジェクトがありました。自動車メーカーが菜種をバイオ燃料にする事業を行っていて、中国は菜種の新しい品種育成が進んでいたので、中国の第一人者と交流する場が欲しいという案件でした。全く知識のない分野なのにも関わらず、お客さんのニーズに合う第一人者の洗い出しから始めなければいけませんでした。どういう大学で、どんな研究をしていて、お客さんの要望に合うのか調べるために本を読んだりもしましたが、あまりにも進捗が悪いので、与えられた期間内では終わらないと思いました。その時に何をしたかというと、とにかく周りのリソースを活用し、社内、社外問わず農業分野に長けている人の話を聞きにいって、中国の農業に関する情報収集をしました。話を聞いているとどのような専門誌を見たらいいのか、どの大学でその領域の研究開発が進んでいるかなどの基礎がわかるようになり、お客さんが満足できるような結果を出すことができました。これは一つの例ですが、困難に直面した時は常にそのように取り組んでいます。なので、一つの困難を乗り越えるも何も、毎日毎日チャレンジですね(笑) 最終的なゴールがある中で、決められた時間内で到達するためには何をすべきか、自分で考えてやっていくことが困難を乗り越える上で大事ですね。


目標を達成するためには、道筋を自分で考えて行動していくことが何よりも大切なのですね。様々なお仕事や海外経験をされてきた何徳様だからこそ聞ける貴重なお話をありがとうございました。

【新卒入社からシニア・マネージャーまでキャリアアップ!】勝ち残るためのコミュニケーションのコツ 新卒入社から数十名規模のチームをリードするまで は以上となります!

全4回に渡って、"面"をキーワードにキャリアやコミュニケーションについて考える上で非常に有意義な話を沢山お伺いすることができました。このような機会を頂けたこと、この場を借りてパクテラ様に感謝申し上げます。



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