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今回はTEDxHitotsubashiUをサポートしてくださっているCore Partner、パクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社より、西牧太郎様(以下西牧様)へのインタビューをお届けします!
本日はどうぞよろしくお願いします。はじめに、西牧様の自己紹介をお願いしてもよろしいですか?
西牧様:はい、まずは今の会社への入社の経緯からお話します。私の新卒就職活動では、パクテラ・グループの日本法人であるパクテラ・テクノロジー・ジャパン(PTJ)という会社から新卒入社の内定をもらったのですが、色々考えるところがあり違う会社を選ぼうと考えていました。ですが、ちょうどその時期、パクテラ・グループのもう一つの日本法人、パクテラ・コンサルティング・ジャパン(PCJ)が2015年9月に設立されまして、そのPCJ設立のメンバーにお会いした際に一緒に働きたいなと強く思うようになり、すぐにPCJでインターンを始めまして、そのままPCJの新卒一期生として入社したという経緯です。
コンサル業界には学生の頃から興味があったのですか?それとも他の業界を志望していたのですか?
西牧様:あまり業界を絞って就職活動していたわけではないですね。企業のカルチャーだったり、面白いと思える経営者の方だったり、社員の方だったり、そういうところを見て会社を選びたいなと思っていました。ですので、自分であまり業界を限定せずに色々な会社を見ていました。
なるほど。ちなみにPCJでのインターン時代に印象的な経験はありましたか?
西牧様:当時、PCJはまだ設立されたばかりで、インターンの私を含めて社員数が3、4人しかいませんでした。ただ、パクテラ・グループのもう一つの日本法人であるPTJという母体があり、ゼロベースで会社を立ち上げるというよりは、PTJの方と営業面を含め色々と協力をしながら立ち上げる感じでしたので、本当にゼロから何もかも立ち上げなければいけないというものではありませんでした。
それでも、PCJの会社として用意しなければいけないこと、決めなければいけないことなどが多々あり、それを学生ながらにとてもダイナミックに経験できたことは、良い経験だったと感じています。例えば、営業のための会社紹介資料を一から作ったり、そもそも他のコンサルティング会社と比べて自社の強みは何かであるとか、これから何を強みにしていくべきか、こういったことを私も議論に参加して経営陣のメンバーと話し合いながら形にしていったことは、非常に貴重な経験だったと感じています。
インターン時代や学生時代の経験で、特に今に活きている経験はありますか?
西牧様:学生の時にアイルランドにワーキングホリデーに行っていました。最初の1ヶ月くらいはホームステイをしていたのですが、滞在コストを抑えるために自分で家を探し、また滞在資金を賄うための仕事も自分で探しました。ただ、自分で仕事を探すにしても、日本のようにアルバイトを探すポータルサイトがあるわけではないので、働きたい企業を一つ一つリストアップして、それらの企業の問合せフォームに片っ端から自分の履歴書を送っていました。そのような経験の中で、人が用意してくれたレールがなくても自分で何とかすることの心構えと、実際に実行することの能動性が磨かれたと思っています。
まさにそのアイルランドでのご経験が、今のお仕事につながっているということですか?
西牧様:そうですね。PCJはまだ設立されて数年の会社で、まだ社内的に整備されていないところもあり、会社が成長していくにつれて、自分たちがゼロベースで考えてアクションしなければならないこと、レベルアップしなければいけないことが多々あります。そういった課題に立ち向かう時に必要な心構えや能動性は、確かに自分の学生時代の経験が生きているのかなと感じることがあります。
なるほど。では次に、現在携われておられる業務に関して教えてください。
西牧様:今は1コンサルチームのリーダーとして、20名ほどのメンバーをリードしています。チームとしては、いわゆるビジネスコンサルが半分くらい、ITコンサルが半分くらいで、多岐にわたるコンサルティングテーマを扱っています。私自身は、通信会社様を中心に2つの側面からコンサルティングを行っています。1つは新規サービスの企画、立ち上げです。どのようなサービスを作ったらクライアントの強みを活かして成長する可能性があるかをお客様と一緒に考え、新しいサービスとして仕立て上げる支援をしています。もう一つは業務改善です。通信会社は、様々な会社が合併してできた会社が多く、社内の業務が人ごとに属人化していたり、似たような業務をバラバラなやり方で行っていたりするので、それらの業務を再整理して最適化や標準化を施すことでコスト削減や付加価値業務に充てる時間創出の支援を行っています。売上に貢献する部分とコストを削減する部分の双方に対して、幅広くコンサルティングを担当しているのが最近の状況です。
20名ほどのグループを率いておられるとのことですが、学生時代含め今までもチームをまとめるということはやっていらっしゃったのですか?
西牧様:私はどちらかというと、2番手とか副◯◯という役割を担うほうが多かったです。例えば中学校の生徒会では、副会長とか書記をやっていました。実は、リーダーとしてチームを率いていく経験は社会人になるまでほとんどなく、そういう役割を任せていただいてから、自分がどういう振る舞いをしたら人がついてくるのか、どのように人と接したら効果的にチームワークが発揮されるのだろうかなど、すごく考えるようになりました。
グループをまとめる中でコミュニケーション能力は重要な能力だと思いますが、どのように磨かれていったのですか?
西牧様:コミュニケーション能力と言っても色々とあると思いますが、明るい性格であるとか、話すのが好きな性格であるとか、そういった先天的なものや幼少期の経験を通して培うものを社会人になってから身に付けるのは難しいと思います。一方で自分が社会人になって以降、コミュニケーションにおいてどんなことに気を付けているかと言うと、相手を理解するというか、相手の人が言っている言葉をそのまま鵜呑みにしないで、この人が本当は何を言いたいのだろう、ということをしっかり考えることになったというのが大きいですね。
なるほど。自身のコミュニケーション能力について変化を感じることはありますか?
西牧様:学生時代の経験を振り返ると、自分が思っていることをしっかり伝えるということは、大学時代に自分が強く意識してきたところです。さらに社会人になってからはそれに加え、傾聴力というか、ひとまず相手の話を一通り聞いてから自分の考えを話そうという姿勢を特に心がけています。
コミュニケーションの難しさについて教えていただけますか?
西牧様:この3年間くらいのコロナ渦で、社員が一つの場所に集まって仕事するという従来の常識や慣習が崩れたこともあり、よりコミュニケーションの難しさが顕著になったと感じています。我々のビジネスのスタイルとして、クライアントやプロジェクトごとにチームが分かれるので、今、私のチームに20人ほどいる中でも、実際には4つか5つくらいの小さなユニットに分かれています。このユニット間では、放っておくと全く会話が発生しなかったりするので、どのようにユニット間のコミュニケーションを活性化できるのか、その横のつながりについては、未だに悩みながら試行錯誤しているところです。
一つの例として、社内のコミュニケーションはSlackというツールが導入されており、私個人としてもチームメンバーには利用を推奨しています。たとえば今、問題にぶつかっているとして、誰かに解決をお願いしたい、情報を求めたいといった際に、コロナ前のように隣の席の人に気軽に聞ける環境ではないことが多いと思います。メールベースだとそもそも誰に聞けばよいか宛先を考えることから悩んでしまい、かつ限られた宛先の中でしか問題の共有ができません。しかしSlackのオープンなチャンネルに投稿することで、なるべく多くの人と問題を共有して、アイデアのある人や時間のある人が互いにサポートできるような雰囲気を作る、そういった工夫をしたりしています。
Slack以外のツールやスキルで、チーム内のコミュニケーションの難しさを乗り越えてきた経験はありますでしょうか?
西牧様:この人は何をやりたくてうちの会社で仕事をしているかであるとか、その人の背景やモチベーション、性格などを一人一人しっかりと理解した上で一緒に仕事をすることを心がけるようにしています。同じ仕事であっても、相手によって依頼やマネジメントの仕方を少し変えたりしますね。Slackなどでテキストベースで依頼すればしっかり読んで動いてくれる人もいますし、一度Web会議などで会話や画面投影を交えて不明点を吸い出したほうが良さそうな人もいれば、もう一人くらい他の人を巻き込んで協同作業形式にすることで動きやすくなる人もいたりします。様々なタイプの人がいるので、相手によってコミュニケーションの取り方を調整、工夫することは、常に心がけていますね。
なるほど。ところで、西牧様はキャリアアップのスピードが速い印象があります。キャリアアップが早い理由をご自身で分析すると、どのようなことがきっかけだと思いますか?
西牧様:私に関していうと、火中の栗を拾うというか、役割やスケジュールなどがあやふやであったり、ゴールがイメージしづらい物事をとことん自分で手を挙げてやってきたということが、自身の自負としてあります。たとえ自分の詳しくない領域であっても、まずは手を挙げて立候補して、自身で色々調べたり人に聞いたりしながら進めてきました。そうすると、能力や知識は後から付いてきて自分の糧になります。そのようなアプローチで、これまで自身の仕事の幅や深さを広げてきました。
他の人がやりたがらない仕事にもチャレンジしてきたということでしょうか?
西牧様:例えば自分の今やっている仕事の量が100あるとして、プラスで仕事を引き受けると仕事量の合計が105とか110になりますよね。そういう状況下で、今やっている仕事で精一杯なので他の仕事は引き受けられない、という考え方をする人がほとんどだと思います。一方で私は、今やっている100の仕事をうまく削ったり効率化したりして90にすることで、残りの10を入れられないか、と考えるタイプです。自分が置かれている状況の捉え方や優先順位に工夫を加えることで、積極的に火中の栗を拾ってきた感じです。
なるほど。今回のイベントテーマが「面」なのですが、年齢や立場の違う人が集まっている会社でのコミュニケーションで、お互いに分かり合うために気を付けていることはありますか?
西牧様:私は、相手のことが100パーセント分かること、もしくは自分のことを相手に100パーセント理解してもらうことは恐らく難しいであろうとそもそも割り切っています。ですので、相手に理解してもらえなかったときのストレスや、言っていることが相手に伝わらなかったときのストレスを、意識的に緩和できているのだと思います。そういう前提があった上で、相手とコミュニケーションを取る上で大事なことは、お互いが向かっていくべき目的、目標をしっかりと言語化や数値化して示してあげる、ということではないかと思います。
例えば、よくあるブレインストーミング的な打合せであっても、まず打合せのゴールや検討の枠組みを予め考えておき、そのゴールに向かってまずここから発想してみましょう、という形でスタートします。ゴールの共有や事前準備もないまま打合せに臨まないようにすることで、みんなが同じ方向を向けるようにするということは常に心がけています。
立場については、事前に相手の立場を理解しておくことに尽きると思います。部署や会社が違えば、目指している目標も大なり小なり変わってくるので、今日この場に臨んできてくれている相手に対して、自分たちの持っている主張をぶつけるだけではなく、自分の発言や主張が相手に対してどのような利益を与えられるのか、そこをしっかりと考えることが重要だと思います。その意味で、事前に相手を理解しておくことはとても大事です。
本イベントのテーマである「面」という言葉を聞いて、どのようなことを連想されますか?
西牧様:人はいろいろな「お面」を被っていると思います。ビジネスの時はこのお面、プライベートの時はこのお面、といった感じで、人にはその場その場で見せたい自分の面があるのではないかと思います。人は色々な面を持っている、ということを理解した上で、ではこの人は今まわりに何を伝えたいのか、どう見られたいのか、その点を意識することが、相手にとって気持ちのよいコミュニケーションを取る一助となるのではないかと考えています。
自分らしくいることも重要だと思いますが、円滑なコミュニケーションのためには面を被らないといけないこともあると思います。そのバランスの取り方は無意識的に使い分けているのですか?
西牧様:半分無意識で半分意識しているのですが、私は自分の弱みをあまり隠さないようにしています。他の人が嫌にならない範囲で自分の弱さを見せるようにしていて、逆に他の人の前であまり取り繕わないようにしているので、そのことが人とのコミュニケーションでストレスをそこまで感じていない理由の一つかもしれません。
自分の弱さをあえてさらけ出すということも大事なのですね。本日はお忙しい中お時間いただきありがとうございました!
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