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【"Pactera" 私のリスタート 1/4 社長編】 2019年、外資系コンサルファームの新社長に就任。人生初の社長業の経験を語る

更新日:1月8日




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今回はTEDxHitotsubashiUをサポートしてくださっているCore Partner、パクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社より、社長の杉山周平様(以下杉山様)へのインタビューをお届けします!


本日はありがとうございます。早速ですが、パクテラ・コンサルティング・ジャパンの社長を務められている杉山様から見て、コンサルタントとはどのような職業でしょうか?

杉山様:そうですね、私が考えるコンサルタントとしての心持ちについてお話できればと思います。実はこの話題は、最近よく若手に話すようにしているものなのですが、コロナの影響で職場の先輩と飲む機会や出かける機会が少なくなり、自分の生き様やコンサルタントとしての思いを語る機会が減っているからこそ、コンサルタントの仕事とは何かについて改めて伝えなければならないと思っています。


私は、コンサルティングは一つの接客業だと思っています。コンサルティング業務の目的を最も簡潔に言うと「人に物事を伝えること」であり、自分の発言・意見を顧客に聞いてもらえることが価値となり、コンサルタントとしての喜びを感じる点なのだと思います。正直なところ、コンサルタントとしての仕事は手を抜こうとすれば抜くこともできます。しかし、そこに強い目的意識を持って働くことができるかで、仕事へのモチベーションや提供できるサービスの質に差が出てくるのではないでしょうか。


例えば、他業種のお話になりますが、航空会社のキャビン・アテンダントの方々が行っている業務は、接客や商品の搬入・棚卸など、他の接客業での業務と共通しているものが多いと思います。しかし、キャビン・アテンダントの方々の提供するサービスは非常にプロフェッショナル性の高いものとして評価されており、憧れる人も少なくないと思います。業務内容では共通点があるにも関わらず、このような差が出てくるのは、キャビン・アテンダントの方々が安全快適な空の旅を提供するという大きな目的のために、プロフェッショナリズムを持ってモチベーション高く働くことで、圧倒的に高い質のサービスを提供していることがあるのではないでしょうか。コンサルタントとして働く上でも、目的意識の重要性という意味では、キャビン・アテンダントの方々から学べるものがあると思っています。



なるほど、一般的にコンサルタントの仕事は”企業経営に携わる”という側面ばかり聞くことが多いですが、ある種のサービス業としての「コンサルタント」という見方は新しいと感じました。では、コンサルタントにはどういう力が求められるのでしょうか?

杉山様:コンサルタントはクライアントに自分の意見を聞いてもらうことにこそ価値があるので、「人に話を聞いてもらえる力」、これが必要だと思います。人に話を聞いてもらうためには、ある分野にとても詳しい専門家になるか、頭の回転が早く多角的な意見を瞬時に出せる天才であるか、もしくは、クライアントにとって信頼が厚い人にならなくてはいけないと思います。私たちはコンサルタントになった瞬間から、弁護士のように特定分野の深い知識を持っているわけではありません。そのため、さまざまなプロジェクトを通して知識を蓄積することで、専門性を身に着けていく必要があります。しかし専門性を身に着けるまでの過程で、人に話を聞いてもらうためには、よほどの天才でない限り、クライアントに信頼される人でなければいけません。だからこそ、信頼されるために何をしなければならないかをどれだけ考えられるかが、コンサルタントとして重要だと考えています。


例えば、議事録を取って参加者に送る場合であっても、重要なポイントを抽出してサマリーを付けたり、件名で何を議題とする会議か分かりやすいようにしたり、顧客がメールを携帯で見ているのでれば小さい画面でも見やすいように改行を入れたり、こうした小さな工夫の積み重ねが信頼の構築に繋がっていきます。そのため、普段の業務において、深く思慮を払い、気を配りながら目的達成を目指すことこそ、コンサルタントの基本だと思います。


なるほど。華やかなイメージを持つことの多いコンサルタントの仕事ですが、それを支えるのは地道な努力の積み重ねなのですね。実際に、杉山さんはどのような目的を持って仕事されているのでしょうか?

杉山様:パクテラの社長としては、「指揮者」として会社の調和を生み出すために働いています。オーケストラは、何百回も繰り返し練習していると、指揮者が不在でもある程度の演奏はできるようになると聞いています。でも、観客の反応や不測のハプニングが起きたときに、その変化を読み取って演奏者をリードし調和を産み出すことができるのは指揮者だけです。社長はまさに指揮者のように、何の変化もなく物事が進んでいれば不要の存在ですが、変化に対応するときにこそ必要とされる存在だと思います。さまざまなことを感じ取って、少しずつ変化させ、調和させる、これを達成するために働いています。



社長というとなかなかイメージしにくい存在だと思うのですが、実際に着任されて、その役割についてどう思いますか?

杉山様:社員から見た時、距離感のある存在であるということは感じます。社長と言っても、やっていることの本質はそれまでとあまり変わりないと自身では思っていて、自分が責任を持っているチームの規模が大きくなったに過ぎないと考えています。ただ、社長になると直属の部下はやはり少なくなってしまい、社員から見ると距離感のある存在に見えるのだなと感じます。


社員が距離感を感じてしまうのは、私の気持ち的には寂しいです(笑)。ですが、全ての社員が社長である私に何でも直接相談する姿が理想形ではないと思うので、単純に距離感を縮めればよいということでもないと考えています。パクテラではオープン・コミュニケーションを大事にしています。社内の話しやすい雰囲気はパクテラの良さだと感じており、その雰囲気は崩さないようにしたいです。階層によるバランスを壊さず、プロジェクトの相談などは直属の上司とストレートにコミュニケーションできる関係性ができた上で、どうしても困ったときに私に相談できる状態、そしてそれを周囲の人が認めている状態を作っていきたいです。


これまでの経験の中で、リスタートというものを感じるような転機はありましたか?

杉山様:思い返してみると、高校生の時の体験である気がします。高校生の時は、家族を離れ単身ニュージーランドで過ごしたのですが、それまでは全く他人のことを考えない人間で、それによって周りに迷惑をかけてばかりいました(笑)。ですが、高校生になり海外に渡った時に、周りの人との協調性を持たないことには人生一人ぼっちであるということに気付きました。一人ぼっちで生きていくことへの覚悟はありませんでしたし、親友も欲しい、万が一自分が死んだ時には悲しんでくれる人が多くいてほしい、と思ったのです。そのことに気付いたことで、自分の考えが変わりました。ニュージーランドに渡る前に日本で生活している際には、自分は一人でも生きていけるという根拠のない自信を持っていましたが、海外に渡って言語の壁がある中で生き抜いていかなければならない環境に自分の身を置いた時、人間は本来弱い存在であり、周りとの関係性、協調性を持つことが人生において大事であると強く感じるようになりました。



最後に、この記事を読んでいる大学生に向けて何か一言お願いします。

杉山様:大学生活を通して積み上げた失敗は将来に活きてくるということ、そのことを意識して生活してほしいです。今日、目的意識の重要性について話してきましたが、「仕事に目的を持て」と言うだけであれば簡単です。しかし、自分が大学生のときに目的意識を持っていたかと自問すると、実はそうではなかったと思います。学生のときに様々な経験をしましたが、その当時は、それらの経験が将来社会人になった時にどのように活きてくるか、正直見えていなかったです。しかし、自身の経験を今振り返ってみると、学生時代の経験が社会人生活にも活かせていること、また、その重要性を強く感じています。今まで、気付かぬうちに色んな事を失敗から学んでいるはずです。社会人になって苦しい状況を迎えたとき、昔に経験した失敗を振り返ることで、苦しみを乗り越える力を手に入れられると思います。


学生の頃、自転車で北海道一周旅行に挑戦したことがあります。もの凄い逆風の中、自転車を漕いだことがありましたが、風が強すぎて漕いでも後ろに下がるんです(笑)。周囲数キロには町もなく、前に進まないといけない。風に耐えながら必死にこぎ続けると、何とか町にたどり着き、そこで全く知らない方から声をかけられ食事をご馳走になったり泊めていただいたりしたこともありました。仕事が苦しかったときは、「あの北海道でも諦めないで漕ぎ続けた。そして周りの人が助けてくれた。」と思いを胸に持ちながら乗り切っていました。そういった苦しい場面を切り抜けた経験は、程度の差はあれ、誰もが持っているはずです。昔経験したことを、今に繋げてほしいです。そこで学んだことを今に適用する力を身に着けてほしい。


人生において辛いと思うタイミングは何度もあると思いますが、過去の経験を頭の中で整理して次に活かす準備をすることが大切だと思います。



ありがとうございます。お話を通して、過去を整理して今に繋げること、まさに「Connecting the Dots」の大切さをひしひしと感じました。貴重なお話、ありがとうございました。


【"パクテラ" 私のリスタート】Vol.1 社長編は以上となります!

次はパートナー編です!大手企業においてキャリアを築かれていた方が、なぜパクテラに転職したのか。その理由をお話しいただきました。

ぜひご覧ください。


Vol.2 パートナー編はこちら